住友電工、英SSENとHVDC海底ケーブルで長期提携 「Shetland 2」始動、英国送電網強化へ
2026/7/14

写真:署名式のようす
住友電気工業は、英国スコットランドの送電事業者SSEN Transmissionと、高圧直流(HVDC)海底ケーブル事業に関する長期的なフレームワーク契約を締結した。オランダの海洋建設大手Van Oord Offshore Wind UKとコンソーシアムを組み、英国本土とシェットランド諸島を結ぶ送電プロジェクト「Shetland 2」の初期設計・エンジニアリング業務に着手する。
契約はShetland 2に加え、今後のHVDC海底ケーブル案件も視野に入れた包括的な戦略提携となる。住友電工は設計から製造、供給までを担い、Van Oordは海底ケーブル敷設を担当する。SSENは今後の送電インフラ整備において、両社を優先的なパートナーとして位置付ける。
Shetland 2は、英国本土とスコットランド北方のシェットランド諸島(Shetland Islands)を525kVのHVDC海底ケーブルで接続する計画だ。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、北部で発電した電力を英国全土へ安定的に送電する基盤として位置付けられ、英国政府が掲げるエネルギー安全保障と脱炭素政策を支える重要インフラとなる。
住友電工は規制当局の承認を前提に、2026年中にもケーブル製造契約を締結する予定。製造は同社が約3億5000万ポンド(約700億円)を投じてスコットランド・Nigg港に建設している新工場で、2027年第2四半期から開始する計画だ。工場は2026年9月の稼働を予定しており、直接・間接で650人超の雇用創出が見込まれる。さらにShetland 2の敷設工事など関連事業でも約670人の雇用が期待されている。
住友電工は2024年、Shetland 2向け海底ケーブルの優先交渉権を獲得しており、今回の契約は設計から施工までを含む長期協力体制を正式に構築した形となる。100年以上にわたり培ってきた海底ケーブル技術とVan Oordの海洋施工技術を組み合わせ、英国の送電インフラ整備を支援する。
英国では洋上風力の導入拡大に合わせ、発電拠点と需要地を結ぶHVDC送電網への投資が加速している。送電事業者各社は再生可能エネルギーの大量導入に対応するため、複数の海底送電プロジェクトを計画しており、HVDCケーブルの需要拡大が続く見通しだ。
SSEN Transmission取締役(洋上事業統括)のサンディ・マクタガートは、同社が公表した送電網投資計画により、今後5年間でスコットランド北部だけでも最大1万人、スコットランド全体では最大2万4000人の雇用創出につながるとの見方を示した。今回のフレームワーク契約についても、人材育成や製造能力への投資を促し、将来の大規模送電プロジェクトを安定的に進める基盤になるとしている。
住友電工は英国を欧州事業の重要拠点と位置付けており、Nigg工場に加え、グラスゴーの営業・EPC拠点も活用しながら現地調達やサプライチェーンの強化を進める方針だ。英国で進む送電網整備を追い風に、欧州HVDC市場での事業拡大を目指す。



