世界初、波力発電がDNV原型認証取得 CorPower Ocean、商業化へ前進

2026/7/23

世界初、波力発電がDNV原型認証取得 CorPower Ocean、商業化へ前進

画像提供:CorPower Ocean公式ウェブサイト


スウェーデンの波力発電スタートアップ、CorPower Oceanは21日、同社の波力発電装置(Wave Energy Converter:WEC)「CorPower C4」が、国際認証機関DNVから世界で初めて波力発電技術向けの「Prototype Certificate(原型認証)」を取得したと発表した。波力発電分野では初の第三者認証となり、技術の安全性や信頼性が国際的に認められたことで、今後のプロジェクトファイナンスや保険引受、機関投資家による投資を後押しする材料となりそうだ。


今回の認証は、DNVが策定した波力発電設備向け認証基準「DNV-SE-0120」に基づき実施された。設計から製造、組立、設置、運転・保守に加え、構造強度や疲労解析、極限環境での性能評価まで、約7年にわたり段階的な審査を実施。最大18.5メートル級の高波環境に耐える構造性能も確認された。


DNVは洋上風力発電をはじめとする海洋エネルギー分野で世界的に実績を持つ第三者認証機関であり、その認証取得は技術成熟度を示す重要な指標とされる。今回の認証によって、CorPower C4は構造安全性、信頼性、運用性能について国際基準を満たしたことが独立機関によって証明された。


CorPower Oceanの共同創業者兼CEOであるPatrik Möller氏は、「今回の認証は当社だけでなく波力発電業界全体にとって歴史的な節目となる。波力発電は『将来有望な技術』から、『投資・融資の対象となる実用技術』へと大きく前進した」とコメントした。


DNV Renewables CertificationのプロジェクトマネージャーであるClaudio Bittencourt Ferreira氏も、「20年以上にわたり波力発電分野を支援してきたDNVにとっても重要な成果だ。厳格な検証を経て初の原型認証を発行できたことは、波力発電の商業化に向けた大きな一歩となる」と評価した。


CorPower Oceanは現在、ポルトガルと英国・スコットランドで初となる商業規模の波力発電所建設を進めている。今回の認証取得により、技術リスクが大幅に低減されたことで、プロジェクトへの融資や保険適用が進みやすくなり、商業展開の加速が期待される。


Santander Alternative Investmentsのベンチャーキャピタル部門責任者、Santiago Gil氏は、「今回の第三者認証は長年にわたる技術開発を裏付けるものであり、投資家が懸念する技術リスクを大きく低減する。波力発電の大規模導入に向けた重要な基盤となる」と述べた。


波力発電は半世紀以上にわたり実用化への挑戦が続く一方、設備の耐久性や発電コストが課題となり、本格普及には至っていない。しかし近年は洋上風力で培われた海洋構造物の設計技術やデジタル制御技術の進展を背景に、再び商業化への期待が高まっている。CorPower Oceanは、風力や太陽光を補完する再生可能エネルギーとして波力発電の導入拡大を目指しており、今回の認証はその実現可能性を示す節目となりそうだ。


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洋上風力発電では、DNVなど第三者認証機関による型式認証(Type Certification)が金融機関や保険会社から事実上の必須条件となっている。一方、波力発電ではこれまで商業化に必要な認証実績が乏しく、「技術リスク」が最大の投資障壁だった。


CorPower Oceanが取得した世界初のPrototype Certificateは、波力発電が洋上風力と同様に「認証を前提とした投資対象」へ移行し始めたことを意味する。今後、ポルトガルやスコットランドで計画される商業案件が順調に進めば、波力発電市場全体の資金調達環境改善につながる可能性がある。



世界的に再生可能エネルギーの導入が拡大するなか、発電時間帯が風力・太陽光と異なる波力発電は、電源構成の多様化や系統安定化への貢献も期待されている。今回の認証は、一企業の成果にとどまらず、波力発電産業全体が実証段階から商業段階へ移行する転換点として位置付けられそうだ。




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