CIP、台湾「渢妙一期」の海事工事が大幅進展 2027年送電開始へ
2026/8/7
台船環海の「環海翡翠輪」による洋上変電所設置作業。画像提供:CIP。
台湾の洋上風力発電事業を手掛けるデンマーク系投資ファンド、コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(Copenhagen Infrastructure Partners、CIP)は5日、第五号旗艦ファンド「CIV」が投資・開発する「渢妙一期(Fengmiao I)」洋上風力発電所について、海事工事が大幅に進展したと発表した。基礎杭99本の打設を完了したほか、2系統の送電ケーブル敷設と洋上変電所の設置も終え、2027年の予定通りの系統接続に向けて工程を進めている。
CIPアジア太平洋地域プレジデントの許乃文(Marina Hsu)氏は同日、台湾政府に対し、第3段階(ラウンド3)の洋上風力プロジェクトが円滑に完工できるよう、制度面・行政面での支援強化を求めた。
許氏は、ラウンド3-1および3-2の案件が、サプライチェーン制約や資金調達環境の悪化など複数の課題に直面していると指摘。一部プロジェクトの開発中止によって市場に「空白期間」が生じているとの認識を示した。その上で、「既存案件を確実に完工し、系統接続まで実現することが、台湾市場の安定性と予見可能性を示す最も重要な証左となる」と述べ、国際投資家の投資意欲回復には実績の積み上げが不可欠だと強調した。
渢妙一期・二期プロジェクトのマーク・ウェインライト(Mark Wainwright)最高経営責任者(CEO)は、「近年の世界の洋上風力市場は、サプライチェーンコストの急騰、金利上昇、市場環境の急変といった逆風に直面している」と説明した。その一方で、渢妙一期が予定通り完工に向けて前進していることについて、「台湾市場に長期的にコミットするチームの専門性と実行力を示している」と語った。
渢妙一期は、CIPにとって台湾で3件目となる洋上風力発電事業であり、同社として初めて洋上変電所を備える案件となる。CIPによると、洋上変電所の設置、水中基礎杭工事、および今後実施するジャケット式基礎関連工事には、台湾国営造船会社グループの台船環海(CDWE)が保有するSEP船「環海翡翠輪」(Green Jade)が投入されている。
また、基礎杭やジャケット基礎部材については、台湾の俊鼎機械廠(CTCI Machinery Corporation)および世紀鋼鉄グループ(Century Iron and Steel Industrial Co., Ltd.)が供給を担当しており、台湾政府が推進する洋上風力のローカルコンテンツ政策に沿ったサプライチェーン協業の成果が現れている。
施工期間中は、台中地域の漁業関係者を警戒船の乗組員や鯨類監視員として継続的に雇用しているという。CIPは、洋上工事の推進と地域社会との共生を両立させる取り組みの一環だとしている。
同社はあわせて、「渢妙二期(Fengmiao II)」の開発も継続しており、2030年の系統接続を目標に準備を進めていると明らかにした。台湾では半導体産業を中心に再生可能エネルギー需要が拡大しており、CIPは両案件を通じてグリーン電力供給の拡大とエネルギー転換への貢献を目指す方針だ。
洋上風力を巡っては、台湾政府が導入拡大を進める一方、世界的な建設コスト上昇や調達環境の悪化を背景に、事業採算性への懸念が強まっている。渢妙一期(Fengmiao I)が予定通り2027年に運転開始できるかどうかは、台湾ラウンド3案件全体の先行指標として注目されそうだ。
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