台湾、洋上風力に約3600億円の外資投資承認 オーステッドと海龍向け建設資金を支援
2026/8/5
台湾経済部投資審議会は7月30日、第33回会議を開き、重大投資案件11件を承認した。このうち外国(僑外)投資2件は洋上風力発電向けで、総額は約739億5000万台湾元(約3600億円)に達した。対象はデンマークのオーステッド(Ørsted)による「大彰化西北」プロジェクトと、海龍(Hai Long)洋上風力発電プロジェクトで、建設費や海上工事、運転準備費用などに充てられる。
投資審議会によると、オーステッド(Ørsted)傘下のORSTED WIND POWER TW HOLDING A/Sは、400億台湾元を貸付方式で沃旭西北大彰化控股股份有限公司(Orsted Greater Changhua NW Holdings Ltd.)に投資する。資金は、同社傘下の大彰化西北離岸風力発電股份有限公司(Greater Changhua Offshore Wind Farm NW Ltd.)が進める洋上風力発電所の建設および関連運営費用に充当される。
一方、オランダの MIT HAI LONG WIND POWER B.V. は、約339億5000万台湾元相当の外貨を玉山能源股份有限公司(YUSHAN ENERGY CO., LTD.)に増資し、さらに海龍二号風電股份有限公司(Hai Long No. 2 Wind Power Co., Ltd.)と海龍三号風電股份有限公司(Hai Long III Wind Power Co., Ltd.)に再投資する。海龍プロジェクトの建設期間中に発生する設備調達、海底ケーブル敷設、港湾利用、海上施工などの費用を支援する計画だ。
今回承認された重大投資案件全体では、半導体、電子製造、バイオ医薬、金融、クラウドコンピューティングなど幅広い産業が含まれたが、外国投資案件の資金はすべて洋上風力分野に集中した。台湾政府関係者は、国際開発事業者が引き続き台湾の洋上風力市場の成長性を高く評価していることを示す結果だとしている。
台湾では、エネルギー転換政策の柱として洋上風力の導入拡大を進めており、大彰化西北と海龍はいずれも第3ラウンドを代表する大型案件として位置付けられている。建設コストや金利負担の上昇が世界的な課題となるなか、数百億台湾元規模の資金調達が進展したことは、プロジェクトファイナンス市場がなお機能していることを示唆する。
同日に承認された対外投資案件は9件、総額約16億3267万米ドルだった。日月光半導体製造(ASE)によるマレーシア半導体封装・テスト事業の買収関連投資、樺漢科技(Ennoconn Technologies)によるオーストリアの産業用コンピューター大手 KONTRON AG に対する公開買付け、神雲科技(MiTAC Computing Technology Corp.)による米国サーバー生産拠点拡張などが含まれる。
台湾政府は、半導体に加えて再生可能エネルギー分野への海外資金流入を重要な成長エンジンと位置付けている。今回の承認は、洋上風力を軸としたグリーンインフラ投資が引き続き拡大していることを裏付けるものとなった。
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今回の投資承認で注目すべき点は、外資による大型案件2件がいずれも既存の主力洋上風力プロジェクト向けであったことだ。台湾では近年、建設資材価格の上昇や金利負担の増加により、一部案件でスケジュール見直しや資金調達条件の再交渉が課題となっている。
そのなかで、オーステッド(Ørsted)と海龍陣営が総額約3600億円規模の資金を確保したことは、台湾洋上風力市場に対する国際金融機関やスポンサーの信頼が維持されていることを示す。特に海龍プロジェクトは、日本企業を含むアジアのサプライチェーンとの連携が深く、今回の資本注入は台湾市場だけでなく、周辺地域の洋上風力関連産業にも波及効果をもたらす可能性がある。
台湾政府は2030年代に向けて導入容量の拡大を目指しており、今後は資金調達環境の安定化に加え、港湾インフラ整備、海上施工能力の強化、域内サプライチェーンの高度化が競争力確保の鍵となりそうだ。
参考資料:台湾経済部
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