台湾の浮体式洋上風力、商用化へ政策・技術・供給網が鍵 船舶海洋産業研究開発センターは曳航シミュレーターを開発

2026/10/16

台湾の浮体式洋上風力、商用化へ政策・技術・供給網が鍵 船舶海洋産業研究開発センターは曳航シミュレーターを開発

写真:ABSでアジア太平洋地域の洋上再生可能エネルギー部門を担当する張中澤氏



米国船級協会(ABS)と台湾の船舶海洋産業研究開発センター(SOIC)は15日、「台湾国際スマートエネルギーウィーク2026」(ENERGY TAIWAN 2026)の台湾パビリオンで、浮体式洋上風力の商用化に向けた課題と曳航作業の安全対策を紹介した。ABSは政策・資金面の支援、技術革新、産業化とサプライチェーン整備の3分野を重要課題に挙げた。SOICは浮体式風車の曳航を事前に検証するシミュレーターを開発し、作業の安全性向上を支援する。


継続的な案件形成と港湾・船舶の整備が課題

ABSでアジア太平洋地域の洋上再生可能エネルギー部門を担当する張中澤氏は、台湾の大水深海域には風速が毎秒10メートルを超える世界有数の風力資源があると説明した。一方、商用化には、こうした資源を事業として成立させるための環境整備が欠かせないと指摘した。


政策面では、プロジェクトの資金調達可能性を高めるとともに、政府の継続的な支援を通じて開発案件を積み上げる必要がある。技術面では設計の標準化を進め、産業面ではドライドックや資機材の保管ヤードなどのインフラを改善することが重要だとした。曳船や保守作業員の移動・滞在を支えるサービス・オペレーション・ベッセル(SOV)など、支援船舶の確保も課題となる。


台湾特有の自然条件への対応も求められる。張氏は、台風や地震への備えに加え、発電コストの高さが企業の電力調達価格を押し上げる可能性に言及。送電網や港湾インフラの整備には、政府による投資も必要との見方を示した。


設計から運用まで、第三者認証でリスクを確認

ABSは、世界初の大型半潜水型浮体式風車「WindFloat 1」の認証を手がけた実績を持つ。張氏は、新たな技術コンセプトについては、基本設計承認(AiP)を通じて設計の成立性を初期段階で確認できると説明した。


個別プロジェクトでは、第三者による検証が場址条件や設計にとどまらず、製造、輸送・設置、試運転、運転・保守までの各段階に及ぶ。商用化に向けて、開発から運用まで一貫したリスク確認が重要となる。


風・波・潮流を再現し、曳航作業を事前検証

SOICの鍾承憲処長は、既存の操船シミュレーターに曳航作業用の機能を追加し、「浮体式風車プラットフォーム曳航シミュレーター」を構築したと説明した。


船舶、曳航索、浮体の動的な挙動を一体的に計算し、風や波、潮流の影響下で、それぞれがどのように動き、操船にどう反応するかを再現する。台湾の事業者が実際の作業に先立って曳航計画や操船方法を評価できるようにし、安全性の向上と事故リスクの低減につなげる。


このコンテンツはWindTAIWANにて公開されたものであり、

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