東京ガス、15MW級浮体式洋上風力で基本設計承認 日本の厳しい海象条件に対応
2026/10/15
プリンシプル・パワーの浮体技術を採用した浮体式洋上風力発電所「ウインドフロート・アトランティック(WindFloat Atlantic)」(写真提供:東京ガス)
東京ガスは10月13日、米プリンシプル・パワー(Principle Power)と共同で開発を進める15MW級の浮体式洋上風力発電設備について、日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。日本の法令・基準や厳しい気象・海象条件に対応した設計を進め、国内での浮体式洋上風力の実用化につなげる。
採用したのは、東京ガスが出資するプリンシプル・パワーの浮体基礎「WindFloat® TC」。センターカラムを備えたセミサブ型(半潜水型)の浮体で、15MW級の大型風車に対応する。プリンシプル・パワーは風車と浮体基礎全体の姿勢を制御し、発電量を最適化する技術を持つ。また、同社の浮体技術は、欧州で商用運転する複数の浮体式洋上風力発電所に採用されている。
東京ガスは、この技術を基盤に日本向けの基本設計と技術検証を実施した。風車、浮体基礎、係留システムが相互に及ぼす影響を評価する連成解析に加え、実海域の風・波・潮流条件を再現した水槽試験を行い、解析モデルと設計手法の妥当性を検証した。
AiPは、基本設計段階で第三者機関が図面などを審査し、適用する規則・基準に照らして技術的な実現可能性や安全性を評価する仕組み。今回の取得は、日本向け設計の具体化に向けた一歩となるが、商用設備としての最終認証や運転開始を意味するものではない。
日本周辺には水深の深い海域が多く、洋上風力の導入拡大に向けて浮体式への期待が高まっている。一方、商用化には建設・運用コストの低減や、国内サプライチェーンの整備が課題となる。
東京ガスは設計・技術検証と並行し、施工や運転保守を支える国内供給網の形成にも取り組む。海外で運用実績を重ねた浮体技術と自社のエンジニアリング知見を組み合わせ、日本の海域条件に適した設計の確立と技術的信頼性・安全性の向上を目指す。





