泓徳能源、北海道蓄電案件で54億円調達
系統用で国内初のグリーンボンド
2026/3/20

国際スマートエネルギー企業の泓徳能源(HDRE)は、日本・北海道で展開する「Helios」50MW級系統用蓄電プロジェクトにおいて、約54億円(約10.9億台湾ドル)のプロジェクトファイナンスを完了したと発表した。
本件は、野村キャピタル・インベストメントおよび野村證券がアレンジを手掛け、グリーン・プロジェクトボンド形式で資金を調達したもの。系統用蓄電池を裏付け資産とするグリーンボンドとしては、日本初の事例となり、蓄電アセットおよび電力市場連動型ビジネスモデルに対する金融市場の関心の高まりを示している。
今回のスキームは、プロジェクトファイナンス型の信託受益権(ABL)を活用し、泓徳グループがアセットの管理を担う。Heliosプロジェクトは、いわゆるマーチャント(Merchant)型の系統用蓄電事業であり、日本卸電力取引所(JEPX)および需給調整市場(EPRX)を通じた電力取引によって収益を創出する。
FITなどの固定価格制度に依存する再エネ事業と異なり、マーチャント型は市場価格と収益が連動するため、金融機関にとってはリスク評価が難しい資産とされてきた。一方、本案件では高度なアセット運用能力とキャッシュフロー管理を前提としたストラクチャリングにより、最長19年の長期資金の確保に成功。日本における蓄電プロジェクトファイナンスの新たなマイルストーンとなった。
日本では再生可能エネルギー比率の上昇に伴い、電力系統の調整力や予備力の確保が重要性を増しており、系統用蓄電池はその中核インフラとして位置付けられつつある。しかし、従来の金融市場では安定収益が見込めるFIT資産が選好され、蓄電プロジェクトの長期資金調達は限定的だった。
今回のグリーン・プロジェクトボンドの発行は、電力市場を活用した収益モデルに対する投資家の理解が進みつつあることを示すとともに、日本の蓄電市場に新たな資金調達手段を提示するものとなる。
泓徳能源のゼネラルマネージャー周仕昌は、「Heliosプロジェクトの資金調達完了は、日本において蓄電アセットの金融スキームが確立しつつあることを示すものだ。電力取引を軸としたビジネスモデルに対する市場の認識も徐々に形成されている」とコメント。「今後は蓄電資産の拡大に合わせ、アセット運用と電力トレーディングを融合させ、より柔軟なエネルギー運用を実現していく」と述べた。
Helios蓄電所は出力50MWで、すでに日本の電力市場において商業運転を開始している。今後は需給調整市場や容量市場への段階的な参入も視野に入れ、収益の多様化と最適化を図る方針だ。
なお、本プロジェクトは日本格付投資情報センター(R&I)より信用格付およびグリーンボンド評価の双方でBBBの投資適格を取得しているほか、グリーンボンド原則に準拠したセカンドパーティ・オピニオン(SPO)も取得済み。
泓徳能源は今後も野村グループをはじめとする国際金融機関との連携を強化し、蓄電および電力アセットの統合運用を推進、日本市場におけるスマートエネルギー事業の拡大を加速していく構えだ。



