ヤン・デ・ヌル、英CCS事業に初参入 北海のCO₂輸送管を保護施工
2026/9/4
ヤン・デ・ヌルの石材投入船「サイモン・ステビン(Simon Stevin)」。写真提供:Jan De Nul公式サイト。
ベルギーの海洋土木大手ヤン・デ・ヌル(Jan De Nul)は、英国の二酸化炭素(CO₂)回収・貯留(CCS)事業に初めて参画する。「ノーザン・エンデュランス・パートナーシップ(Northern Endurance Partnership、NEP)」のCO₂輸送・貯留網で、海底パイプラインの保護工事を担う。海洋施工で培った技術を生かし、産業の脱炭素化を支えるインフラ市場を開拓する。
同事業の海洋工事を担当するイタリアのサイペム(Saipem)の下請けとして、石材投入船「サイモン・ステビン(Simon Stevin)」を投入する。今後数カ月にわたり、北海の海底に敷設する直径約1メートルの輸送管を石材で覆う。
施工には、船体から海底に向けて垂直に下ろした管を通じて石材を投入する「フォールパイプ」方式を採用する。水深30〜60メートルの海域で石材を高精度に配置し、漁業活動や船舶の投錨などによる管路の損傷リスクを抑える。
NEPは、イングランド東部のティーズサイド(Teesside)やハンバー(Humber)の産業集積地を対象とするCO₂輸送・貯留構想だ。工場などで回収したCO₂を圧縮して北海へ輸送し、海底下の深部にある多孔質の地層に圧入することで、長期的に封じ込める。
複数の排出事業者が輸送・貯留設備を共用する点に特徴がある。個々の工場で回収設備を導入するだけでなく、CO₂の受け入れ先まで一体的に整備し、産業集積地全体の排出削減につなげる。
ヤン・デ・ヌルのプロジェクトマネジャー、トム・クインテリエ氏(Tom Quintelier)は、今回の参画を、技術力と革新的な解決策で将来の課題に対応する同社の方針に沿った新市場への進出と位置付けた。
CCSの普及には、回収技術に加え、輸送・貯留設備の整備が欠かせない。こうしたインフラへの投資は、専用船や海底施工のノウハウを持つ海洋土木企業にとって、新たな受注機会となりそうだ。
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