石油への回帰開始か――BP、オーストラリアの超大型グリーン水素プロジェクトを放棄
2025/08/08

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英国の石油大手BPは、7月25日にオーストラリア再生可能エネルギーセンター(Australian Renewable Energy Hub、AREH)の大規模グリーン水素プロジェクトから撤退することを発表した。BPは63.57%の持ち株を放棄し、このプロジェクトは世界最大級のグリーン水素プロジェクトのひとつであり、同社がクリーンエネルギーから撤退し、利益率の高い石油・ガス業界へと回帰することを意味している。
AREHのグリーン水素プロジェクトの総投資額は360億ドル(約1.08兆新台幣)にのぼり、26GWの太陽光と風力発電を通じて年間160万トンのグリーン水素を生産する計画だ。しかし、BPの撤退により、InterContinental EnergyやCWP Globalなどの共同事業者は、新たな資金源やリーダーを再度探し、プロジェクトを進める必要に迫られることとなった。
BPの決定は、株価の低迷が投資家に圧力をかけた結果の戦略転換を反映している。もともと、BPは2030年までに世界の水素市場の10%を占める計画を立てていたが、今年初めにはその戦略を見直し、今後10年間で5〜7つのクリーン水素プロジェクトに集中すると発表した。現在、BPは再生可能エネルギーの支出を大幅に削減し、数十億ドルを従来の化石燃料事業に再投入する方針だ。
これと同様に、シェル(Shell)は2025年の資本予算において石油・天然ガスへの投資を20%増加させ、100億ドルにする一方で、再生可能エネルギー事業への資金を削減する。また、エクイノール(Equinor)も再生可能エネルギーと低炭素ソリューションへの投資・開発計画を大幅に削減すると発表している。
BPがグリーン水素事業から撤退し、再び石油・天然ガス事業に注力する方針は、他のエネルギー大手と同様の動きであり、コストのかかるグリーンエネルギーへの投資を見直し、伝統的なエネルギーへの支援を強化する流れが鮮明になっている。
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