商船三井、海底熱水で発電実証
中部沖縄トラフで海中LED点灯に成功
2026/3/9

(左画像:海底熱水の熱によるLED点灯の様子;右画像:噴出孔から出る熱水の様子)
商船三井は、海底熱水の熱エネルギーを利用した発電実証で海中の発光ダイオード(LED)の点灯に成功したと発表した。実海域において海底熱水の熱エネルギーを利用してLEDを点灯させた実証は世界初としている。海洋由来の新たな再生可能エネルギーとして活用できる可能性を示した。
本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」の一環として実施したもの。海洋研究開発機構(JAMSTEC)、海上・港湾・航空技術研究所、東京海洋大学、地熱技術開発株式会社、株式会社elleThermoなどと連携し、商船三井が全体を統括した。
実験は中部沖縄トラフの海底熱水噴出孔で実施。噴出する高温の海底熱水を熱源として発電し、その電力を用いて海中に設置したLEDライトを一定時間制御しながら連続して点滅させることを確認した。今回の実証では、海底環境下における温度条件や発電性能、装置の耐久性に関する基礎データも取得した。
海底熱水はマグマを熱源とする安定的な再生可能エネルギー資源で、天候や時間帯に左右されず発電できる特徴を持つ。商船三井によると、中部沖縄トラフなど一部海域では最大約60ギガワット(日本の年間発電電力量の約30%に相当)規模の発電ポテンシャルがあると試算している。
今後は、他海域での熱水資源調査や発電モジュールの開発、長期連続運転試験などを段階的に進める方針と発表した。また、海底で発電した電力を活用し、洋上プラントで水素やアンモニア、合成燃料を製造し、船舶などへ供給する一連のバリューチェーンについても技術的・経済的な成立性を検証する。
同社は海底熱水を活用したゼロエミッション燃料モデルの商用化を視野に入れ、海洋再生可能エネルギーの実用化に向けた研究開発を進める考えだと発表した。
資料参考:商船三井プレスリリース



