韓国洋上風力1.8GW落札 CIPが唯一の欧州勢、地場企業優勢鮮明

2026/7/8

韓国洋上風力1.8GW落札 CIPが唯一の欧州勢、地場企業優勢鮮明


韓国政府が実施した2026年上半期の洋上風力発電入札で、総設備容量約1.8GWとなる5案件の落札結果が公表された。落札案件の大半を韓国企業が占める一方、欧州系デベロッパーではデンマークのコペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズ(CIP)のみが固定式と浮体式の両案件を獲得し、唯一の海外勢として存在感を示した。


一方で、近年韓国市場への投資を積極化してきた欧州大手各社は今回の入札で苦戦した。市場では「外資優位」の構図から「地場主導」への転換点との見方も広がっている。


韓国新再生可能エネルギーセンター(KNREC)によると、今回の入札には9案件、総容量約3.6GWが応札し、競争倍率は約2倍となった。固定式と浮体式を対象とした今回の入札では、韓国企業と海外投資ファンドを中心とした陣営が競争を繰り広げた。


象徴的なのが、ノルウェーのエネルギー大手エクイノール(Equinor)の撤退だ。同社は蔚山沖で750MW規模の浮体式洋上風力発電プロジェクト「Bandibuli(バンディブリ)」を計画していたが、2026年5月、事業採算性の確保が困難になったとして開発中止を正式に発表した。

近年の資材価格高騰や金利上昇に加え、韓国政府が入札価格の上限を引き下げたことが、海外デベロッパーの収益性を圧迫したとみられる。


デンマークの洋上風力最大手オーステッド(Ørsted)も今回の入札には参加しなかった。同社が長年開発を進めてきた仁川沖市場では、固定式案件「掘業島(Gureopdo)」がSK eternix、大宇建設、C&I Leisure Industryによる韓国企業連合の落札となり、大型案件でも韓国勢の競争力向上が鮮明となった。


価格だけでなく「地域貢献」が競争力に


韓国メディアは、今回の入札結果の背景として価格制度の変更を挙げる。


韓国政府は2026年入札から固定価格契約(CfD)の上限価格を見直し、固定式では前年から約3.0%、浮体式でも約0.8%引き下げた。価格競争が一段と厳しくなったことで、開発事業者には設備調達や建設、資金調達コストのさらなる削減が求められる。


特に欧州製機器を中心とするサプライチェーンを採用する海外デベロッパーは、コスト競争力で不利になりやすいとの見方が強い。


一方、唯一落札したCIPは近年、SKグループとの協業や韓国国内サプライチェーンとの連携を積極的に進めてきた。韓国の洋上風力入札では価格だけでなく、国内産業への波及効果やサプライチェーン構築、地域経済への貢献なども評価項目となるため、現地企業との協業体制が競争力を左右する要素となっている。


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今回の韓国入札は、世界の洋上風力市場における競争環境の変化を象徴している。


これまで海外市場では、豊富な開発実績や技術力を持つ欧州デベロッパーが優位とされてきた。しかし、高金利やインフレによるコスト上昇を背景に、多くの国で入札制度が「価格」と「ローカルコンテンツ」を重視する方向へ移行している。


その結果、単なる技術力ではなく、「現地サプライチェーンをどこまで構築できるか」「地域経済へどの程度貢献できるか」が競争力そのものとなりつつある。


台湾でも区画開発(Round 3)が進むなか、開発事業者は収益性をこれまで以上に重視している。韓国の事例は、価格競争力と産業政策、海外投資の呼び込みをいかに両立させるかという点で、台湾や日本にとっても重要な示唆を与えるものといえそうだ。



 参考資料:Equinor, MCEE, WindTAIWAN


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