住友商事、英浮体式洋上風力「Gwynt Glas」に参画 初の浮体式案件

2026/8/12

住友商事、英浮体式洋上風力「Gwynt Glas」に参画 初の浮体式案件

Gwynt Glas浮体式洋上風力発電の3Dイメージ(出典:Gwynt Glas公式Webサイト)


住友商事は10日、英国沖ケルト海で開発が進む浮体式洋上風力発電事業「Gwynt Glas(グウィント・グラス)」に参画すると発表した。フランス電力公社(EDF)の再生可能エネルギー部門であるEDF power solutions UK and Irelandと、アイルランド電力公社(ESB)が共同開発する事業会社の株式33.3%を取得する。住友商事にとって、浮体式洋上風力発電事業への参画は初めてとなる。


Gwynt Glasは、ウェールズ南西部沖のケルト海で開発される大型案件で、総設備容量は約1.5ギガワット。海岸から約40キロメートル離れた深海域に浮体式風車を設置し、開発から建設、運営までを一体的に手掛ける計画だ。


英国政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(Net Zero)達成に向け、洋上風力を基幹電源の一つと位置付けている。特に水深の深い海域への導入が可能な浮体式洋上風力は、従来の着床式では開発が難しかった海域での導入拡大が期待されている。


住友商事は2014年から欧州の洋上風力事業に参画し、開発・建設・運営の各段階で知見を蓄積してきた。今回の案件では、浮体式洋上風力の開発実績を持つEDF power solutions UK and IrelandおよびESBと連携し、事業化を進める。


同社は2025年、英国政府傘下のビジネス・イノベーション・科学・通商省と、英国での投資促進に関する包括的覚書(MOU)を締結しており、本案件はその枠組みに沿った重要案件と位置付ける。英国市場を成長分野と捉え、洋上風力を通じてクリーンエネルギー分野での事業拡大を図る。


住友商事の水無瀬淳・海外エネルギーソリューションSBU長は「英国市場と洋上風力事業で培った知見を生かし、プロジェクトの価値向上と開発推進に貢献したい」とコメントした。


EDF power solutions UK and IrelandのMatthieu Hue最高経営責任者(CEO)は、住友商事の参画について「洋上風力の開発・投資におけるグローバルな経験は、EDFとESBの知見を補完し、ウェールズと英国にとって重要なプロジェクトの実現を後押しする」と述べた。


ESBのJim Dollard Generation Trading担当エグゼクティブディレクターも「洋上風力はESBのネットゼロ戦略の中核であり、今回の参画はプロジェクト前進の重要な節目になる」と歓迎した。


住友商事は2024年5月に公表した「中期経営計画2026」で、事業ポートフォリオ改革の加速を掲げている。化石燃料関連事業の最適化で生み出した資金や経営資源を、再生可能エネルギーなど成長分野へ重点配分する方針で、今回のGwynt Glas参画もその戦略の一環となる。


英国では近年、ケルト海を中心に浮体式洋上風力の商業化に向けた動きが活発化しており、日本企業による欧州浮体式市場への本格参入事例としても注目されそうだ。


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今回のGwynt Glas参画は、住友商事にとって単なる欧州洋上風力投資の拡大にとどまらない。浮体式技術は、日本周辺のように水深が深い海域が多い市場で将来的な導入拡大が期待されており、英国での開発経験は日本国内の浮体式案件にも波及する可能性がある。欧州先行市場での知見獲得を通じ、住友商事が浮体式洋上風力のグローバルプレーヤーとしての基盤を築けるかが注目される。


参考資料:住友商事プレスリリース



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